徒然なるままに日暮し

猫と趣味と覚書を気まぐれに綴るブログ

国立新美術館のミュシャ展に行ってきました

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憧れのミュシャ展に行ってきました。

 

アルフォンス・ミュシャとの出会いは小学生の頃、ポスターのデザインや色彩に一目ぼれをし、小さな画集を買ってもらったのが最初です。

その画集には当時はまだ有名ではなかったスラヴ叙事詩も紹介されており、それがミュシャの故郷チェコの市庁舎やお城の壁画として展示されている旨を読んだ私は、いつかプラハに本物のミュシャを見に旅行する!という夢を持ったのでした。

 

それが、まさか日本に来てくれるとは思わず...!

ネットで初報を知ってからずっと楽しみに待っていました。

途中、チェコ側が展示に難色を示したり、運搬問題がありハラハラしましたが、2017年3月、ついに東京で展示が始まったのでした。

 

 

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展示物を見たときは、言葉にならない感動でした。

第一印象は、大きい!そして絵が光っている…

 物理的に照明が当たっているということではなく、絵自体が光源になっているイメージです。

 

人間、凄すぎる物を見たときは頭が働かなくなるんだなーとぼけっとしながら、生で見る作品から何か得られないか、混んでくる時間いっぱいまで眺めていました。

 

 一番好きな絵です。「スラヴ民族の賛歌」

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人々の躍動感と、開放感が画面に溢れているようです。色も、構図も、何もかもが完璧・・・

 

こちらも人物の書き込みがすごい。

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当日は公開最終週末ということもあり、出る頃には100分待ちの列。その時間待っても、見る価値が本当にあったと思います(私は開館2時間前から並んだので、最初の方にのんびり見てました)

 これで当分は、何かあってもこの思い出で乗り切れそうな気がします...!(T T)

 

続きは個人的な鑑賞メモになります。

 

ミュシャ展で感じた事、考えた事

好きな作家の割に詳しい解説書や研究本を読んでいないため、それならあの本にあったよ~という内容になると思いますが、自分の考え整理用のメモになります。

 

 

ミュシャの絵は光っている

光源と色の使い方によるものかなと考えました。

ミュシャの絵は近景・中景・遠景が分かりやすく分かれており、近景が暗いことが多いです。この絵などがその特徴が分かりやすいかと思います。

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中景に物語の要を配置し、そこにふんだんに光をあてているので、丁度舞台のスポットライト的にものが浮かび上がって見えます。

また、光源の色も黄色やオレンジ等暖色が多く、膨張して目に入ってくる感じが強いので「光っている」ように感じるのかなと思いました。

 

絵画だがデザイン的な描写

ミュシャの絵画において感じることは、エッジが効いているということです。

ぱっと見、油絵というより版画に印象が近いと言いますか、平面の中で明暗と陰影を感じる色彩で立体的に見せている感じです。なんといったらいいのか…

 

それは製作過程に見られるのですが(▼未完成と言われている絵の一部)

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まず人物のシルエットを完璧に描写、平面的に塗った後書き込みに移っているようです。かなりデザイン的な作り方をしているのではと思います。

 

余談ですが、絵のうまい人ってシルエット(アウトライン)が完璧ですよね…それだけで塗りが単純でも引き立つ。真似したいです。

 

Twitterから引用、力の入り抜きの技巧について

Twitterで呟かれている方がいらっしゃいました。

ミュシャはデザイン系出身ということもあり、これだけの大作ながら納期や絵のメリハリを考えた工程を取っている、すごいと。

 

まず、絵の主要となる部分以外の四隅の書き込みは最低限作品として成り立つレベルに力を抜いています(この最低限がプロ級でなかなか真似できないところ)

遠くの建物や空は陰影だけで表現。

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そして、主要部分においてもベタ塗りになってしまう影や空間平面にハッチングを使って情報量を増やしています。

よく見る油絵では、ぬるっとしたグラデーションかナイフでぺたぺたっとした感じが多いと思う部分です。

 

ミュシャほどの画家にも流行の影響があった

映像コーナーでのミュシャ解説の内容です。

ミュシャはポスターデザインで一躍有名になったあとに、祖国への誇りに目覚めスラブ叙事詩の制作に取り掛かります。

時代的にも小国の独立を目指す機運が高まっている時期でした。

制作は16年ほどかかりますが、発表された時の評価は低い物でした。

16年の間に流行が代わり、宗教画的なものは古臭いと見向きされない時代であったことと、その頃すでに国が独立し、今頃祖国愛をうたった作品が出ても…という感じだったようです。

まじか!

 

結構これには驚きでした。ミュシャほどの画家でも流行でないと評価が低いとは…

当時はネットも何もない時代で、16年もかかっていればまあとも思いますが。

これが現代だったら、流行の消費速度はもっとシビアですね。一週間とか、一ヶ月持てば凄い方。今活躍されている方々は凄いんだなと思います。

 

作品の運搬方法が意外だった

ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」の時のようにベルーガでの空輸かと思っていましたが、なんと巻いて持ってきたようです(!)

イメージしていたベルーガ輸送↓

エアバス ベルーガ - Wikipedia

 

公式ツイッターアカウントが呟いていましたが、もともと壁画のような固定作品でなく、移動を考えられて巻ける素材に耐久度のある描き方をしていたとのことです。

togetter.com

持ち運びも納期も考えて作っていたとは、ミュシャ改めて凄い・・・

 

まとめ もっと知識を持って見に行けばよかったな!

会場で感動ボケした頭ではこの位しか観察できませんでした^^;

もっと技術や知識を持って見に行ったら、また違う発見があったのではと無念。

観察力が追いつかず、情報を取れなかった部分は他の方のブログや解説書で復習したいと思います。