徒然なるままに日暮し

猫と趣味と覚書を気まぐれに綴るブログ

CGWORLDゼミ マットペイント講座メモ1

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マットペイントのセミナーに参加してみたよ

最近、他業界の舞台裏に興味しんしんです。

ワークフローや技術者の意識している事などが、結構自分の業種でも活かせたりするので。

と言うわけで、今日は総合学園ヒューマンアカデミーの上記講座へ参加してきました。

ha.athuman.com

 

また自分用復習記事になります~。

 

講師紹介

映像プロダクション「Fude -ふで-」

江場左知子 氏

原島順 氏

 

お二人の仕事は映画の一部背景を後から静止画で作って合成する「マットペイント」です。

講義では、お二人のデモリールやワークフローをまとめたパワポを流しながら仕事の内容、現場の裏話、質疑応答などを行いました。

 お二人のデモリール、作成画像は下記サイトになります。

fude-vfx.com

 

マットペイントのワークフロー

まず映画のワークフローがあり、マットペイント=VFX班は途中から加わる事が多いそうです。

①プリプロ(台本作成/ロケハン/資料集め)

②プロダクション(撮影/シューティング) ⇒コンテあがりから合流し撮影に同行、現場で一緒に写真素材を取る事も。

③ポスプロ(編集/VFX) ⇒多くの場合はここから参加です。

④宣伝

⑤劇場公開

 

次からがマットペイントのワークフローです。

例では『SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010)』の冒頭、レアメタルハンターキムタクが風化したヤマトをバックに崖を歩くシーンを見ながら説明がありました。

①台本(コンテ)の内容摺り合わせ。舞台背景、設定などを聞いて構想を練る。

②ライブプレート(合成元になる素材映像)を撮影。 ⇒ただの石切り場をキムタクが歩いているだけの映像。

③②に素材をのせて加工していく。 ⇒ヤマトの汚し加工、手前のゴミ山、崖のディティール、空などを合成していく。

⇒ヤマトは3Dモデル班が作ったモデル。

⇒このカットは漫画に忠実に作りたいとの要望があり、漫画表現をリアルにした場合の 時間経過や物体の質感など考えながら作成した。

④②と合成。コンポジターさんが砂埃エフェクトなどを加え完成。手前のエレベーターがある崖以外がマットペイント。

 

ALWAYS3丁目の夕日シリーズのマットペイント

こちらはヤマトと異なるワークフロー例です。

②プロダクションの撮影で「ミニチュアの街模型」を撮影しています。

その模型静止画に3D班がパースアタリをつけ、そのパースを元に建物や植木、地面のタイルなどを合成していくそうです。

この模型撮影+マットペイントは、3DCG会社「白組」とのタッグを組むときの方法。 白組には模型撮影のスタジオもあるそうです。

SIGGRAPH ASIAの白組メイキングでもこの話に触れており、内容が繋がったので個人的に とても興味深いメイキングでした。

タワーと手前の林がマットペイント。

 

どこまでがマットペイントなのか

基本的に動かない背景=マットペイント が多いそうです。

ただ、撮影方法によっては手前に3Dモデルを置き、そこにマットペイントのテクスチャをはる場合もあるのだとか。

えっ このシーンも静止画なの?というカットが多く驚き。

 

メインツールはPhotoshop

マットペイント=3Dモデルだと思っていましたが、驚いた事に全てPhotoshopで完結するそうです。

自分達で撮影したり、購入した素材集の何千何万と言う写真から使える素材を選び、マスク抜きをし、レイヤーで重ねる。

時にはペイントブラシで手描きをする。そして、空気遠近のフォグをつけたりライトを当てたり。

レイヤー数は中間で2,300行くそうです。

 

マットペイントの良いところ

イメージがダイレクトに演出者に伝わるところ、だそうです。

3DCGだと、まずグレーボックスがあり、テクスチャやらマテリアルが付き、ライティングにレンダリングまで行わないと完成図が見えませんが、マットペイントは一枚で全てを相手に伝えることができます。

お二人が意識して取り組んでいる事

制作現場で

・製作する背景の質感、経年変化などよく想像したり調べて"リアル"さを出す。

・戦争映画など史実に基づく映画では時代考証も大事。

その時そこにあった自然環境や生活観を徹底的に入れます。例えば1年ずれるだけで基地の配置が変わってたりするので。

・スチル素材を沢山撮ります。今は建物がない場所でも、当時の自然(山川)は残っていたりするので、スケール感や空気感を掴みに撮影現場には行きたい。

・模型をマットペイントするときは、「物の角のシャープさを取る」そうです。

現実のものを見ればわかるが、どんな四角い看板も角に面があります。そういうリアルさを観察するとのこと。

・環境を調べます。そこに植生する植物なども間違えると大変おかしなことに。

・スケール感を意識。空気遠近とか、被写界深度とか。

 

プライベートで

・旅行先でもスチル撮影!だんだん同行者に誘われなくなります...(苦笑)とのこと。

拾ってきた写真を使うなんてNG!自分でストックした素材の量、整理力がマットペインターの技量といっても差し支えない。大事ですと力説されていました。

・自主制作で簡単なマットペイント作品を作ったりします。(なんでもない植物写真にフォグをかけて巨大感を出したり)

 

 

次の記事で質疑応答のメモをまとめる予定です。

www.satsukinokitan.com